
ある日。
婆や「王子様、わたくし、今年の1月3連休は3日ともあいているんでございますよ。どこか山にご一緒しませんか」
王子「いいよ。婆やはどこか行きたい所はあるの?」
婆や「王子様のお好きなところでよろしゅうございますよ。私が選ぶと上越の渋い山とか…」
王子「!! じゃあ八ヶ岳にしようか。赤岳主稜とか石尊稜とかどうかな」
婆や「わかりました。婆やがしっかりビレイしますから、王子様は好きなだけトップで岩を登ってくださいまし」
…そんなわけで、所属する山岳会の王子と、八ヶ岳にいってきました。
初日は美濃戸から行者のテン場まで。王子にしてはゆっくり歩いてくれたのですが、なかなかついていけず、最後はふらふら。考えてみたら、クリスマス山行で捻挫をしてしまい、あきらかなトレーニング不足です。先行き不安…。
2日目は赤岳主稜へ。やはり取り付きまでの登りで息が上がってしまいます。が、取り付きにはとりあえず一番乗り!で着きました。今回は核心ピッチは王子にリードをしてもらうことで話がついていたので、1、2ピッチ目の岩場は王子がリードし、あとはつるべで登りました。結局、岩っぽいところは王子、雪稜は私が登るような感じになりました。安定した王子の登りの後ろ姿に涙する婆や(笑)。すごく寒い日だったけど、天気はすごくよく、快適なクライミング。初めて主稜を登ったときは怖くて、疲れて、本当に苦しいだけだったのに、今回は楽しい!最後は疲れてヘロヘロしながらも完登し、赤岳の山頂で記念撮影をし、文三郎尾根を下って12時過ぎにはテン場へ到着。ふはー。
3日目は石尊稜へ。王子は昨年に続き2回目のトライ、私は初トライです。やはり取り付きまでに息があがり、かなり不安…。しかしなんとか一番乗りで取り付きに。下部と上部に岩場があり、そこは王子にリードをしてもらいました。昨日より少し渋い感じの岩場で少し苦戦していたようですが、いい感じに登っていきます。私はといえば、後続のパーティーに「ピックをしっかりさして!」「アイゼンの爪をきかせて!」とアドバイスをもらいながらフォローで登っておりました。途中の雪稜はずっとつるべで。雪が少なめでちょっとヒヤヒヤッとするところはありましたが、おおむね快適でした。この日は小雪の舞う曇りで、10時ごろからは風もずいぶん強くなりましたが、気温は前日より高かったのかも。なんとか完登し、地蔵尾根を下ってテン場に戻り、テントを撤収して下山。八ヶ岳山荘のお風呂に入り、終バスに乗り、駅前のおいしい蕎麦屋でそばを食べて帰りました。
若くてパワフルなパートナーとの3日間。いっぱいいっぱいで、体力的にはとてもきつかったけど、なんだか楽しかったな…。考えてみたら、熟練の先輩じゃない人とバリエーションルートに行くのは夏・冬ともに初めてだったんだ。ついていけるか、ちゃんと登れるかすごく不安だったけど、王子にたくさん助けられ、なんとか予定通りの登攀ができました。全然うまくならなくて、いつまでたっても怖くて、冬の登攀はもうやらないよ、と思っていたのだけど、また行ってもいいかな、何度か行けばもうちょっと上手くなって楽しくなるんじゃないかな、と思い始めている自分が笑えます。
いい山行、いい3連休でした。企画してくれた王子に感謝。おつかれさまでした。