引き際・吾妻連峰中津川

天気予報が好転した9月の3連休、沢登りにいってきました。

行き先は福島。中津川でした。西吾妻山に突き上げる沢で、美しいナメや淵、迫力ある滝を持つステキな沢。所属する山岳会の先輩方と、総勢3人でいってきました。初日にタクシーで登山口に向かい、身支度してスタート。抜けるような青空、照りつける日ざし。目の前に広がるのは広葉樹の林と、澄み切った水。水をたたえた淵はエメラルドブルーに輝いて、歩いているだけでこの先に何が待っていてくれるんだろうとワクワクしてきます。

…が、歩き始めて2時間ほどの地点で撤退。ほぼ取付敗退です。

最初のポイントである「白滑八丁」。花崗岩の岩がU字にえぐれて淵やナメがずっと続く、見ているととても美しいのだけど通過はとても気を遣うところです。その終盤にどうにも通過できないところが発生。小さな小さな滝をもった淵。トップも通過にてこずり、さらにシビアなアクシデントもあり、ここで撤退を決めました。沢のすぐ上に古い登山道があり、なんとかそこまで登り、あとはさっくりと下山。登山口手前の河原に1泊し、翌日は、下山に使った登山道を行けるところまで往復し、帰途についたのでした。

そんなわけで、今回は目的の行程を達することなく下山したのですが、自分の山行を見直すいい経験になりました。登山は「いつもうまく行くとは限らない」ものであるということ。進むのが非常に難しい状況が現れたときに、どうするか。今までは「難しくても何とか突破する」ことしか考えていなかったように思います。…突破に失敗したときに、きちんと自分あるいは同行者の安全が確保できるか、その手段を考えて行動をしているか。さらに、突破以外の手段はあるか。…手間がかかっても安全確実に行く方法はないか、あるいはもう進めないという判断をどの段階でくだすか、そしてどんなルートで撤退するか。

私はもっと「退く」ことを考えなくてはならない。
撤退する手段を考えることなく突っ込んではいけない。おそらくこれから本気で山に向き合えば向き合うほど、「撤退」することも多くなるだろう。一般登山道をただ下ってすめばいいけれど、そうでない場合にどうするか。状況を見て判断をしながら無事に下山できるようになるには、たくさん経験を積んでいくしかないのだろう。

今までの自分は、そういうことを全然考えない、考えなくていい状況にいたと思います。
以前いた山岳会でも、限界トライ的な山行はしていたけれど、絶対的リーダーがいて、困難があったときは頼り切りになっていた。自分が考えなくては、対処しなくては、というケースは本当になかった。でも今回は、自分もリーダーとともに考え、行動しなくてはならなかった。戸惑い、焦り、いっぱいいっぱいの状態で行動し、なんとか全員で無事に山行を終えることができたけど、自分たちのとった行動が正しかったのか、もっといい方法はなかったのか、何ができたのかと、下山してからずっと考え続けています。

この沢には、来年また訪れたいと思います。もっと技術や知識を上げて、気持ちよく沢が楽しめたらいいな。おつかれさまでした、ありがとうございました。
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by toshizo-Ni | 2012-09-17 17:55 | 山や岩のこと。 | Comments(0)