一期一会

結婚する前は、「北海道へ一人旅」が趣味でした。

もう10年以上前の話です。ユースホステルを泊まり歩いていました。宿に泊まり、一緒に泊まりあわせた人と語り、ときには一緒に遊び、とても楽しいひとときを過ごしました。今でこそ携帯やメールが普及し、手軽に連絡をとれる環境ですが、当時は住所交換をし、また次に旅をしたとき、互いにハガキを送り合う…ということをしていました。

彼らと東京で会おうとか、こまめに連絡を取る、というのではありません。本当に旅先で知り合い、いっとき一緒に過ごしただけの間柄。今、北海道旅行をしなくなった今、やりとりは年賀状ぐらいになっていますが、そんな人達ともう10年以上やりとりが続いていたりします。ある意味、面白いつながりです。

10年前の秋。網走から知床へ向かっていました。ウトロでヒッチハイクを試みたとき、一台の車が停まってくれました。学生らしい若いお兄さんがひとり。「クンベツ温泉」というところに行くのだといいます。宿に着くにはちょと早すぎるので、同行させてもらうことにしました。道路地図にないダート道を進み(今思うと、彼が見ていたのは地形図だったか)、行き過ぎか、まだかと悩みながら進み…、途中で手描きの標識らしきものを見つけ、さらに進み…。

ホントに山奥の小さな小さな露天風呂に着きました。岩肌から流れる湯を集めたような、ひとり入ればいっぱいのような小さな湯船があるだけ。しかも湯はとても熱く、下を流れる川から水を汲み上げて温度調節をします。お兄さんと交替で湯に浸かりましたが、本当に気持ちよい温泉でした。その後、来た道を戻り、宿まで送ってもらい、お別れ。夢のような楽しいひとときでした。今もあるのかな、あの温泉。

本当に数時間一緒に行動しただけの、もはや顔もほとんど記憶にない人と、気付けばもう10年近く年賀状だけのやり取りをしているのです。こちらは山の写真つきの年賀状を送り、あちらからは丁寧な手描きイラストの年賀状が帰ってくる。…お兄さんが数年前に就職をしたのは聞いていました。昨日、ふと思い立ってネットで検索をしてみたら…、そのお兄さんのお仕事ブログを発見してしまいました。写真が出ていて、「ああ、こんな顔の人だったんだな、当時研究していた(らしい?)分野の職業で頑張っているんだな」と思い、なんだかジーンとしたのでした。
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Commented by えり at 2008-05-23 17:17 x
私も同じです。
年賀状だけのやり取りがもう何年も・・とか。
すごいことですよね。
北海道で知り合った人と結婚したり、北海道以外でも何度か会って遊んだり、会いに来てくれたり、会いに行ったり。
ネットで検索して出会えるっていうのもいいですね。
なんだかいろんな人を思い出しちゃいました。
Commented by kuma at 2008-05-23 20:04 x
こないだ、20年ぶりに東京から友人がひょっこり訪ねてきました。
ソウルオリンピックのあった88年に船で一緒にプサン、ソウルと旅した友人です。実は、ミクシーやってました。世間は狭い。
Commented by ニシ at 2008-05-23 22:47 x
>えりちゃん
お、やっぱりこのネタには飛びつきますね?(笑)
一度会っただけの人と、かくも細く長く連絡を取り合う不思議。
心底楽しい時間を共有したからこそ、なのかなと思います。
旅仲間のネタはなかなか尽きません。

>kumaさん
20年ぶり! それはすごい。
おそらくお互いに風貌もずいぶん変わっておられたのでは?
それでも、話をすると、時間が一気にもとに戻るのですよね。
Commented by WrittenbyKaoruF at 2008-05-26 01:46
一人旅は誰かと一緒の旅とは違った楽しみがありますよね。
私は京都でしたが、ユースホステルを泊まり歩いていた頃を
懐かしく思い出しました。
Commented by ニシ at 2008-05-26 08:07 x
>Kaoruさん
京都のひとりたび…。素敵ですね。
一人旅の楽しみって、相手のことを気にせず、本当に自分が好きなところに行けることだと思っていますが、YHを使った旅だと、「停まり合わせた人との出会い」が楽しみに加わりますね。今は山馬鹿ですが、実はそうなったきっかけはYHでの「出会い」が大きいのです。
by toshizo-Ni | 2008-05-23 13:41 | 日々のつれづれ。 | Comments(5)